
主として精神医学や精神薬理学の分野で、脳に対する作用の研究が行われている薬物であり、又精神科で用いられる精神科の薬、又薬物乱用と使用による害に懸念のあるタバコやアルコール、又、法律上の定義である麻薬の様な娯楽的な薬物が含まれる。
- 精神刺激薬 - コカイン、ニコチン、カフェイン、アンフェタミンやメタンフェタミンやメチルフェニデート、MDMA。
- 抑制剤 - アルコール、ベンゾジアゼピン系、ヘロインやアヘンやモルヒネといったオピオイド系の薬物や大麻。
- 幻覚剤 - LSD、シロシビン、メスカリン、DMT、ケタミン。
個々では異なる特徴を有する。
典型的な精神刺激薬は、興奮を生じさせるが、MDMAでは共感性を呼び起こす作用が強い。
オピオイドやアルコールの様に致死量と作用量が狭く過剰摂取によって死亡し易い薬物や、大麻や幻覚剤の様に広い為そうした事が起こり難い物がある。
刺激薬、興奮剤とも呼ばれる。
乱用の為一定の規制があるが、医療や研究上の用途が認可されている物も多い。
無色無臭の柱状結晶。
医療用医薬品としては、安定な塩酸塩として流通している。
コカインは麻薬に関する単一条約で規制されている。
麻薬及び向精神薬取締法における麻薬である。
非合法に乱用されるコカイン塩酸塩(粉末コカイン)の場合、コカの葉を細かく刻んで石油等をかけてかき混ぜ、硫酸を混ぜた後アルカリで中和しコカイン濃度を高めた「コカ・ペースト」を製造する。
その後、コカ・ペーストを酸で処理した後で過マンガン酸カリウムで不純物を取り除き、濾過して出来た物が使われる。
又、中枢神経に作用して、精神を高揚させる働きを持つ。
又、コカインを摂取(内服、静脈注射)した場合、中枢神経興奮作用によって快感を得て、一時的に爽快な気分になる事がある。
と言う事は、日本におけるアンフェタミン類の覚醒剤を含む物である。
抑制剤(depressant)あるいは中枢神経抑制剤(Central nervous system depressant)とは、脳の様々な領域で覚醒や刺激を減少させるか抑制し、神経伝達の水準を低下させる薬物や内因性の化合物である。
抑制剤は、しばしばダウナーとも呼ばれる。
覚醒剤或いはアッパーは、抑制剤とは反対に精神や身体の機能を増加させる。
ドーパミンは、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。
運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習等に関わる。
覚醒剤はドーパミン作動性に作用する為、中毒症状は統合失調症に類似する。
中脳皮質系ドーパミン神経は、特に前頭葉に分布するものが報酬系等に関与し、意欲、動機、学習等に重要な役割を担っていると言われている。
覚醒剤精神病と呼ばれる中毒症状を起こす事がある。 俗にシャブ等と呼ばれる。
人間の体全体を蝕んで、骨までしゃぶり尽くすと言う意味から、シャブと呼ばれています。
覚醒剤と言う名称は、元々は「除倦覚醒剤」等の名称で販売されていた物が略されたものである。
この除倦覚醒剤と言う言葉は戦前戦中のヒロポン等の雑誌広告等に見受けられる。
健康面への問題が認識され社会問題化し法規制が敷かれる以前は、現在の覚せい剤として指定されている成分を含んだ薬品は、疲労倦怠の状態から回復させ眠気を覚ます為の薬品として販売されていた。
抑制剤は、広く世界中で処方薬や違法薬物として用いられる。
関連障害の単位としては、世界保健機関はコカインと、それ以外の物に分けているがタバコの分類もある。
アメリカ精神医学会は、アンフェタミン様の作用を持つ物と、コカイン、又ニコチンとカフェインに分類している。
共にMDMAは、幻覚剤に分類される。
呼称には幻覚剤の原語である中立的なハルシノジェンや、より肯定的に表現したサイケデリックス/サイケデリクス、神聖さを込めたエンセオジェンがある。
その体験は屡々(しばしば)サイケデリック体験と呼ばれる。
サイケデリックの語は、「心をあらわにする」と言う意味のギリシャ語に由来する。
神秘的な、或いは深遠な体験が多く、神聖さ、肯定的な気分、時空の超越、語りえない(表現不可能)といった特徴を持つ事が多い。
ドイツ語「Lysergsäurediethylamid」の略称であるLSD(エルエスディー)として広く知られている。
開発時のリゼルグ酸誘導体の系列における25番目の物質であった事からLSD-25とも略される。
又、アシッド、エル、ドッツ、パープルヘイズ、ブルーヘブン等様々な俗称がある。
純粋な形態では透明な結晶であるが、液体の形で製造する事も可能であり、これを様々なものに垂らして使う事が出来る為、形状は水溶液を染みこませた紙片、錠剤、カプセル、ゼラチン等様々である。
日本では吸い取り紙の様な紙にLSDをスポットしたペーパー・アシッドが有名である。
LSDは無臭(人間の場合)、無色、無味で極めて微量で効果を持ち、その効用は摂取量だけで無く、摂取経験や、精神状態、周囲の環境により大きく変化する(セッティングと呼ばれる)。
セットとセッティングとは、向精神薬、特に幻覚剤の体験の条件関係の説明である。
ある人の見方(セット)、及び、体験時の身体と社会的な環境(セッティング)の事である。
特に、治療的又娯楽的な幻覚剤の体験に関している。
「セット」とは思考、気分、期待等個人が体験に持ち寄る精神状態である。
「セッティング」とは身体と社会環境である。
一般にLSDは感覚や感情、記憶、時間が拡張、変化する体験を引き起こし、効能は摂取量や耐性によって、6時間から14時間程続く。
日本では1970年に麻薬に指定された。
MDMAはこれ等とは異なる共感能力や親密感の向上作用を持つ。
これ等は主にセロトニン作動性である。
心拍や呼吸を増加する。
抑制剤(Depressant)は、その反対に中枢神経系を抑制する作用を持つ。
ケシを原料とする、アヘンから抽出される。
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日本では処方箋医薬品(薬機法)・毒薬(薬機法)・麻薬(麻向法)として規制されている。
世界各国で麻薬取り締まり法規の対象薬物とされ、扱いが厳しく管理されている。
モルヒネからは、更に依存性が強く、代表的な麻薬であるヘロイン(ジアセチルモルヒネ)が作られる。
一般名はジアモルヒネ或いはは3,6-ジアセチルモルヒネ。
1889年にドイツで(バイエル社より)商品名ヘロインで発売され、モルヒネに代わる依存の無い万能薬の様に国際的に宣伝され、アメリカでは1924年に常用者推定20万人とされた。
ドイツで1921年、アメリカで1924年に医薬品の指定が無くなると、後に非合法に流通する様になった。
2000年代のアメリカでは処方薬の過剰摂取死が問題となっていたが、2012年には急増したヘロインによる死亡がトップとなった。
日本国内では麻薬及び向精神薬取締法によって、その製造・所持・使用は制限されている。
専門家によって薬物の評価では、ヘロインは快感3点、精神的依存3点、身体依存3点と何れも最高の3点となっている唯一の薬物である。

尚、日本の法律上の便宜により、「麻薬」と「向精神薬」に分類されるが、医学的な分類では無い。
日本では、幻覚剤も麻薬及び向精神薬取締法にて、法律上の麻薬として定められている(幻覚剤は、北米では麻薬には分類されない)。
屡々規制薬物を回避する為に行われ、現行法では対処出来無くなっている薬物の事を指す事もある。
ドーピング規制にも同様の事があり、特にドーピング検査で検出されない様に作られたアナボリックステロイドをデザイナーステロイドと呼ぶ事がある。
これ等以外の何の法的制約の無い物が、脱法ドラッグである。
脱法ドラッグとは、法律によって一部の薬物が規制されている事から、法律による規制が無いであろう代替の薬物を表す為に用いられている用語である。
英語では、一般にリーガル・ハイと呼ばれ、合法を意味するlegalを冠している。
専門家の間では、新規向精神薬と呼ばれる。