総理大臣を英訳すればprime ministerとなる。
primeは「第1の」、ministerは「大臣」、prime ministerは「大臣の中の第1人者」となる。
primeは「最初の」「重要な」等を表す事も出来る。
閣僚の首席を表す言葉は各国においてそれぞれ違いがあり、様々に日本語訳されているが、それ等の通称・普通名詞として首相が使われている。
例えば日本においての閣僚の首席は内閣総理大臣であるが、通称として首相が用いられる場合が多い。
但し、この首相と言う呼称は日本の法体系に基づく正式なものでは無く、法令では一切使用されていない。
一方、議会では内閣総理大臣を指す慣用的な呼称として定着している。
尚、議院内閣制における史上最初の首相は、イギリスのハノーヴァー朝初代国王で英語が全く読み書き出来無かったジョージ1世(この王から「国王は君臨すれど統治せず」が出来た)から内政外交全ての政策決定権を委託された第一大蔵卿のロバート・ウォルポールである。
※初代オーフォード伯爵ロバート・ウォルポール
美術品のコレクターでもあり、現在はその一部がロシアのエルミタージュ美術館に所蔵されている。
一方文芸や文学者の保護には熱心で無かった為、1737年に検閲を行った影響もあり、『ガリバー旅行記』の作者:ジョナサン・スウィフトや映画化された『トム・ジョーンズ』の作者:ヘンリー・フィールディング等は彼を風刺して批判した。
又、有名なマザー・グース<ガチョウ婆さん>の「クックロビンの歌」(駒鳥の死から葬送迄を語る内容で、マザー・グースとしては比較的長大な14連で構成される作品)は政権末期のゴシップを鳥に準(なぞら)えて歌ったものと言う説がある。
ウォルポール時代は議院内閣制が発達した時代として知られ、ウォルポールはイギリスの政治に安定を齎し、彼の治世は「ロビノクラシ」「パックス・ウォルポリアーナ」とも呼ばれる。
南海泡沫事件で関係者の処罰を徹底せず中途半端に終わらせた事は遮蔽幕(スクリーン)と皮肉られたが、反対派の弾圧を控える方針で政争に発展させなかった事はジョージ1世の信頼を得て出世に繋がった。
但し、首相になってからはトーリー党の弾圧と選挙における買収・買官運動を盛んに行い、野党から屡(しばしば)非難されている。
選挙の不公平の象徴である腐敗選挙区を利用したり、目立った政策が無い為評価は一定していないが、1726年にイギリス旅行に訪れたフランスの哲学者ヴォルテール(名言「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」で有名)は旅行記『哲学書簡』でウォルポール政権下のイギリスを観察、宗教対立が無く商業がイギリスの繁栄を築いたと称賛している。
何れにせよ、平和外交と重商主義でイギリスに大きな波乱を起こさず繁栄に導いた事は確かであり、後にイギリスが商業国家として発展するきっかけを生んだ。※
類似した語に宰相があるが、これは中国の官制に由来する呼称で原意は「君主から特に親任されて王家(帝室)を司り、宮廷で国政を補佐する者」である。
日本語においては明治以来、宰相も又首相と同じく慣用的な呼称に過ぎず、「首相」と「宰相」の区別は殆どの場合、詩文的修飾の差異であり、大物政治家としての内閣総理大臣を表現する際に重みを出す為に、或いは「国政を司った(有能な)人物」と言う敬意を表現する為に、「宰相」と修飾的に呼ぶ程度の区別である。
語義上
じゃあ誰が
どんな「宰相」だった
と言うのか?
桂太郎:「ニコポン宰相」・・・って・・・誰?
桂「小五郎」とかじゃ無くて「太郎」??
台湾総督(第2代)、陸軍大臣(第10・11・12・13代)、内閣総理大臣(第11・13・15代)、内務大臣(第22代)、文部大臣(第23代)、大蔵大臣(第13代)、貴族院議員、元老、内大臣、外務大臣(第25代)等を歴任した。
在職日数2886日は歴代1位!
尚、連続して在職してはいない為、連続在職の記録は佐藤榮作に譲る形となっている。
じゃあそんな桂太郎が何で「ニコポン宰相」なんだ?
…桂太郎は「ニコポン宰相」と呼ばれた。
寺内正毅:「ビリケン宰相」・・・よ~くさあ、大阪ネタでビリケンはんがどうしたこうしたとかあるけど・・・何なのビリケンって?
ビリケン宰相の異名を持つ。
で!
ビリケン (Billiken) は、尖った頭と吊り上がった目が特徴の子供の姿をしている幸運の神の像。
1916年(大正5年)6月24日、寺内は元帥府に列せられる。
朝鮮総督としての功績を認められての事である。
寺内の頭の形がビリケン人形にそっくりだった事から、これに超然内閣の「非立憲(ひりっけん)」をひっかけて「ビリケン内閣」と呼ばれた。
原敬:「平民宰相」これは有名だ。
但し(原自身が「平民政治家」を意識して行動する様になり、爵位辞退を一貫して表明する様になるのは、原が政友会幹部として自信を深めていった明治末期以後である。それ迄は政治権力を確固たるものとする為に貴族院に行きたがってた)と言う裏話もあるが。
高橋是清:「だるま宰相」顔がダルマみたいだからか?
濱口雄幸:「ライオン宰相」・・・誰?
う~ん・・・結構知らんなあ・・・
「おさち」とは又珍しい名前だ…
官僚出身でありながら、その風貌から「ライオン宰相」と呼ばれ、謹厳実直さも相まって強烈な存在感を示しつつも大衆に親しまれた首相が濱口雄幸である。
濱口が政治家として過ごした大正から昭和初期は、正に激動の時代だった。
この激動を乗り切って首相に上り詰めたのは、濱口の実直さや正義感、頑固さを高く評価して彼を押し上げていった周囲の政治家・財界人達の期待の結果である。
吉田茂:「ワンマン宰相」「白足袋宰相」これも有名だ。
白足袋なのは和服着てたからか?
大平正芳:「あーうー宰相」口癖だしなあ。
ここ等辺になると流石に分かる。
小渕恵三:「凡人宰相」今思えばちぃっと可哀想な仇名だ…
小泉純一郎:「ライオン宰相」「変人宰相」おや?
仇名が前述した浜口雄幸と同じ。
まあ「変人」の方がメジャーだしいいか。
野田佳彦:「ドジョウ宰相」こうなるともうどうでもいい感がある。
民主党新代表選挙の演説の際に、”相田みつお”さんの「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」って一説を引用していた(地味さをアピール)からこう呼ばれた。
尚、ドジョウは嵐の前は活動的になる=未来が予見出来る=先見の明があると言う事を暗喩的させたかった為引用したのかも知れないが…
他にも「黒衣の宰相」とかってのもある。
火坂雅志の小説の題名じゃないぞ。
徳川家康の側近・天台宗の南光坊天海や、豊臣秀吉の側近・安国寺恵瓊が有名。
他には『三銃士』のリシュリュー宰相とかもいる。
・・・まあ日本においては首相も宰相も別に変わらん(内閣総理大臣は天皇陛下が任命するから)が、諸外国では首相と宰相とで明確な違いがあるって事ですな。
だってドイツやカナダやオーストラリアにも首相いるけど、王様おらんから、以上は宰相にはなれない!
なので、ドイツのアンゲラ・ドロテア・メルケル首相
は幾ら頑張っても宰相にはなれませんって事です。

逆に、日本の鳩山首相は、どんなにイカレポンチ
であっても宰相ってヤツなのです。
