言うまでも無いけど、漫画には色んな作品がある。
ドラゴンボール、うしろの百太郎、タイガーマスク、ゲゲゲの鬼太郎、ドカベン、うる星やつら、パタリロ!、おせん、トリコ、ベル・エポック、スーパードクターK、アシュラ、14歳、ゲームセンターあらし、ケロロ軍曹、南国少年パプワくん、バーサスアース・・・
若し以上の作品が掲載出来無くなったとしたらどう思われるだろうか?
最近、藤子不二雄Ⓐ(本名:安孫子素雄)の『愛…しりそめし頃に… 満賀道雄の青春』を全11巻9000円で購入した。
『まんが道』の続編なので以前から読みたかったので、購入出来て嬉しい。
内容も中々面白い。
『まんが道』の頃、満賀道雄は新人だったが、『愛…しりそめし頃に… 満賀道雄の青春』では(年齢は21歳だけど)漫画家としては中堅の部類に入ってる。
この作品で漸く辛抱しんちゃんも知ってる藤子作品が登場している。
『シルバークロス』『海の王子』『怪物くん』とかがそうだ。
この作品で『海の王子』が小学館週刊少年サンデー、『シルバークロス』が光文社月刊少年、『怪物くん』が少年画報社月刊少年画報での連載だった事が分かった。
この作品で重要なファクターがある。
それは所謂「トキワ荘」グループにおける漫画家集団「新漫画党」のメンバーのリーダー・寺田ヒロオについてだ。
「新漫画党」メンバー(第二次)
総裁:寺田ヒロオ
以下、藤子不二夫(F&Ⓐ)、アニメーター・鈴木伸一、つのだじろう、森安なおや、石森章太郎、赤塚不二夫、園山俊二の8名
辛抱しんちゃんは寺田ヒロオの作品は未だに読んだ事が無い。
今では幻の漫画家扱いだ。
然し新漫画党メンバーに与えた影響は計り知れない。
藤子不二雄Ⓐ曰く「僕等は手塚先生を目指してまんが道を進んだけど、寺田氏がいなければトキワ荘の漫画家は育たなかった」みたいな事を述べている。
それは作中でも描かれてはいるが、藤子が原稿落として漫画家廃業を覚悟した際「ばかっ!!」
と怒鳴りつけて二人を励ましたり、赤塚不二夫がタネ(お金)が無くなり廃業を考えてた時、当時のお金で6万円(今の価値で60万円)を渡して
赤塚をまんが道に踏み留まらせたりしている事からも分かる。


石森章太郎、つのだじろう等も影響を強く受けたに相違無い。
そんな寺田は、昭和30年代後半から40年代前半、児童漫画の売れっ子作家としてペンを奮って、新漫画党を実績&精神面共に牽引して来た。
『背番号0』
『スポーツマン金太郎』
『暗闇五段』
『もーれつ先生』
等の代表作がある。




然し寺田は昭和40年代に筆を折る・・・漫画家廃業したのだ!
理由は単に人気が取れなくなったから…だけでは無い。
勿論、児童漫画のタッチが、劇画ブーム時流に取り残された側面もあるが、寺田はそれよりも「漫画の健全化」に拘った。
要は
「ピストルをバーン!と撃ち、剣をズバッ!と振り下ろしな作品だかりだ!漫画は子供のものだ!子供に悪影響を及ぼす作品は雑誌に載せるべきではない!」
って考えに固執したのだ。
劇画ブームが始まった前後から、子供向けのほのぼのとした作品から、大人向けのエログロナンセンス作品やアクションバイオレンス作品が幅を利かせる時代になって行く。
『ジャングル大帝』とか『フクちゃん』とかよりも『巨人の星』『ゴルゴ13』等が流行りはじめた頃である。
新漫画党の他のメンバーは
「テラさんの言いたい事は分かるけど、漫画は常に進化し続けているんだし、そんな事言ったら雑誌が成り立たないよ」
と、寺田の理想に賛同しなかった。
まあ「嫌なら読まなきゃいいのに」と作中でも描かれてるが「それが出来ないテラさんだからなあ」とも言われている。
挙句の果ては雑誌の編集長に
「この作品は良くない!掲載しないで!」と詰め寄ったり
会った事も無い劇画家に
「君の作品はダメだ!漫画を描くなら
『漫画少年』に掲載されていた様な作品を描くべきだ!」
と手紙を送ってる。
新漫画党メンバーならずとも、「そこまでやるか!?」みたいな…
それでとうとう筆を折った。
・・・寺田以外の新漫画党メンバーは、その後誰でも知ってる傑作・名作を紡ぎだしている。
それは藤子不二雄Ⓐにせよ石森章太郎にせよギャグに開花し過ぎた赤塚にしろ、つのだじろうも劇画タッチな作品を輩出している事からそれは伺える。
余程大雑把に言えば藤子・F・不二雄が少々絵柄のせいもあるけど寺田の理想を守った結果になっている。
『愛…しりそめし頃に… 満賀道雄の青春』でⒶは「映画同様漫画にも色んなジャンルがあって当然です。アクションだって一つのジャンルと思って描いています」と述べている。
全ての漫画が漫画少年の児童漫画みたいな作品より、現在のあらゆるジャンルを網羅した漫画世界の方に、寺田以外の漫画家は賭けたのだ。
結果それが最適だったのは言うまでも無い。
然し今回あえて寺田ヒロオの理想をクローズアップして肯定してみようと思う。
寺田の考えは現在の社会に当て嵌めれる。
即ち
「漫画=メディアが子供に悪影響を及ぼしている」
事。
そして
「漫画=メディアを利用して人々を洗脳せしめるリスク」
がある事だ。
そのリスクを寺田は警戒したのではなかろうか?
コミケにおけるエロパロディ、オウム真理教が利用する漫画やアニメでのマインドコントロール
ホラー・スプラッッタやアクションバイオレンス作品に影響され犯罪に走る極一部の大馬鹿者、売らんが為にクライマックスシーンばかりを詰め込む週刊漫画・・・売れりゃいい、勝てば官軍、エロでもグロでもオールOK・・・

漫画は決して子供に優しいものばかりでは無くなった。
それ所か悪影響を及ぼし兼ねない作品がウジャウジャ量産されている。
又、漫画もメディアの一環とすれば、現在の各マスコミの反日報道姿勢をメディア総出で演出しているのは間違い無く日本に悪影響を及ぼしている。
つまり
漫画=メディアの
暴走化である。
子供向けの健全な作品以外の全てのジャンルを開拓して漫画を進化させる事と引き換えに、漫画が健全なものばかりでなくなり、更には子供は勿論、大人ですら悪影響を及ぼすメディアな側面も持ってしまった。
当時の寺田がメディア操作迄突っ込んで考察してたか迄は分からないけど、俯瞰してみればそうなる。
然し寺田以外の人はそれを承知で漫画を進化させた。
進化の為には止むを得ない犠牲だったのかも知れないが、リスクに関してもっとセーフティネットみたいな基準は考えられなかったのだろうか?
工場をバンバン稼働させじゃんじゃん物を製造してガンガン会社を儲けさせる事に成功した反面、公害が問題となり、掛け替えのない命が自然が失われた・・・でもハナから「自然破壊されるから工場の稼働は最低限ね」としてたら、今の日本の繁栄があっただろうか?
繁栄と引き換えのリスク・・・そのリスクを寺田は悟ったのだろうか?
その為には手塚治虫すら言わない「この連載を中止せよ!でなきゃ自分の連載を終了させる!」事まで言った寺田。
手段は兎も角、寺田の心配は分かる気がする。
でもそうなると
「じゃあ漫画は児童漫画だけで良かったのか!」
となる。
両極端・究極の選択だ。
となると「エログロとかの悪影響はあるけど、色んなジャンルを網羅した漫画」を辛抱しんちゃんは選ぶだろう。
例えエロパロディやマインドコントロールが絡んだリスクがあるとしても寺田案には賛同しなかっただろう。
寺田ヒロオの絶筆は、新漫画党の面々に精神的な影響を及ぼした。
然し「それはそれ」として、寺田以外のメンバーは、劇画を取り入れ、様々なジャンルを切り拓いて行った。
それにより日本の漫画は進化した。
日本の漫画は寺田がいなくとも(逆にいなくなったからこそ?)全く問題無く発展して行った。
然しその代わり
劇画が発達して、子供向けのみでは無く大人向け漫画も誕生した。
それに伴い、大人向けのジャンルであるエロネタやバイオレンス物も出て来た。
殺し殺され、犯し犯され、騙し騙されな内容…真似したら大変な事になる内容…
分かり易い事を利用した政治思想の洗脳…![蘭 一生]()

これ全てTVや新聞等報道に当て嵌めれる…
果たしてそれでもいいのだろうか…
翻り
現在、韓国が対馬から盗んだ仏像を返還しない事、竹島や尖閣諸島や北方領土を返還しない諸外国、憲法改正や死刑制度等についての反日メディアのいいたい放題…真っ当な報道では無く、刺激的な、視聴率・部数を取る為に、在日スポンサーのお金を得る為にメディアを操作し反日宣伝を嬉々として行うマスコミ…
単に起こった事件の結果のみ報道するのでは無く、番組を演出し、刺激的な意見で視聴者を釣り視聴率を上げスポンサーから資金を巻き上げる…それは全て売る為。
ワイドショーやニュース番組や新聞・雑誌の発達に伴い、田舎の一般人ですら海外のニュースをリアルタイムで知る事が出来る時代だが、反面、メディアコントロールで、反日報道が連日行われているリスク…
漫画一つとってみても、現代の暗部の問題提起に繋がる。
いい悪い別に、考えてみるべき事項だと思います。
