・・・左下の歯に違和感を持った辛抱しんちゃん。
虫歯治療は痛いので、出来る限り・なるだけ歯医者に行きたくは無かったものの、放置して悪化したらそれはそれで嫌で堪らないので、仕方無く勇気を振り絞って歯医者に伺った。
レントゲン撮られて歯科医曰く「親知らずが奥歯圧迫してて、それが違和感の原因!紹介状書くから医科大の口腔外科へ行って下さい」だと!
ほげえええ~!
実は三年前にも同じ事で金沢医科大で親知らずを抜いた経験がある辛抱しんちゃん。
すっげえ痛かった!
なのに・・・嗚呼、又なのかよ!
然しほっとく訳にも行かないので、泣く泣く医科大で抜く事にした。
又、准教授がノリがいいのかホイホイとインフォームドコンセントしてくれる。
まあ悲壮な顔で説明されるよりはいいが・・・
で!
抜くのだが・・・辛抱しんちゃんの親知らずは埋没歯だったので切開して取り出さなきゃならぬ!
麻酔かけて(かけんと堪らん)イザ手術なのだが・・・長い・・・ゴロゴリ削られ、唇圧迫されながらの手術・・・その内麻酔も切れる(っーか、振動で痛い)
ので追っかけ麻酔されながら歯を割り取り出される。

殆ど取り出した後念の為レントゲンを撮る(歯が残ってないか確認の為)が、その後准教授が
準教授「残念なお知らせがあります。親知らずの手前の歯が割れているんだよね」
しんちゃん「!?」
准教授「又、膿も溜まってるんだよ。ほらこのレントゲン写真見て。白く見難くなってるでしょう?これ膿なんだ。ほっとくと大変だよ」
しんちゃん「・・・おおお、どうすればいいのですか?」
准教授「ま、今回は親知らずだけ抜いて、手前の歯は置いとくか、このまま一気に抜いちゃうかどちらかですね。どちらでもいいですよ」
しんちゃん「(そんな・・・)ど、どっちの方がいいのでしょうか?」
看護師「麻酔効いてる今なら又麻酔かけて痛い思いするより手間は省けますよ」
しんちゃん「はううう・・・(悩む)ならば手前の歯も抜いて下さい・・・」
しんちゃん「(何を今更!?)・・・」
・・・てな感じで親知らず&手前の臼歯を抜いた辛抱しんちゃん。
然し問題はその後に起っちゃったのだ!!!
歯科医療においては、既に萌出した歯だけで無く、埋伏歯を取り除く事も含まれる。
水平に埋伏した第三大臼歯(親知らず)等の場合は、一般的な抜歯と異なり、歯肉を切開したり歯を切断したりして抜歯する事もある。


人間では、通常三対(十二本)の大臼歯を持つが、一番後ろの第三大臼歯(親知らず、智歯{「ちし」と読もう!})は、現代人では最初から存在しない人も多く、存在しても、現代人の顎では、萌出(ほうしゅつ、生え出す)するスペースが無い為に、水平埋伏になる等、正常な萌出を行わない事も珍しく無い。
又、第二大臼歯すら存在しない人も増えている。
又、逆に過剰歯として、第四大臼歯が第三大臼歯の後方に萌出する事も稀にある※
近年は出来るだけ歯を残す方向に歯科全体が動いて来ているが、それでも抜歯適応となる事は多い。
具体的には、気管チューブを挿管する時に、歯が不安定だと最悪の場合歯が抜けて気管に入り込んでしまう場合がある。
この場合には医師であっても抜歯を行う事がある。
抜歯を行う事によって、偶発症が発生する事がある。
偶発症の中には、歯科医師の力量や注意の不足によるものもあれば、患者本人の不注意によるものもあるが、注意しても避けられないものも多い。
然し、どの様な状況が発生しても対応する判断力が歯科医師には必要とされる。
これにより口唇等に痺れが長期に渡り残る事がある。

下顎第三大臼歯の抜歯で、最も恐ろしい偶発症は、翼突下顎隙![筋肉の障害によって起こるタイプⅠ型]()
![]()
(「よくとつかがくげき」と読もう!下顎枝と内側翼突筋との間にある組織隙)に抜去した歯牙が迷入する事であり、口腔底に感染源を押し込む事になり、屡(しばしば)重篤な感染が生じる。



又、迷入歯牙を摘出する為には,全身麻酔下で外部からの切開を必要とする事が多い。
この他、上顎の歯が、上顎骨の上顎洞に迷入する事や、抜歯後に止血し難い事や、一端止血した後に再び出血する事(後出血)等がある。
軽度の血友病等の血液疾患がこの事により発覚する事もある。
親知らず・・・乳児の歯の生え始めとは違い、親がこの歯の生え始めを知る事は無い。
その為親知らずと言う名が付いた。
親知らずの事を英語では wisdom tooth と言う。
これは物事の分別(wisdom)がつく年頃になってから生えて来る歯である事に由来する。
「智歯」「知恵歯」「第3大臼歯」、歯科用語では「8番」(前から8番目の歯)とも呼ばれる。
概ね10代後半から20代前半に生えて来る。
全ての人が4本生えて来る訳では無く、上下左右の4本が揃わない場合もある他、概ね4人に1人の割合で全く生えて来ない人もいる。
現代の日本人は顎が小さく、親知らずが生える為の十分なスペースが無い事が多い。
この為、横向きに生えたり傾いて生えて来たりする場合がある!
最悪の場合、親知らずから入り込んだ菌が心臓付近迄到達し、死亡する事がある!
親知らずが問題を起こしている場合は、抜歯を勧められる。
年齢が上がると顎骨と歯根が癒着して来る事がある。
この様になると抜歯が困難になるので、若い内の抜歯が勧められる。
抜歯の難度は上顎より下顎が難しく(顎部の神経が近い為)、真っ直ぐ生えているものより横向きに生えているものの方が難しい。
最も困難なのは下顎で横向きに生えている歯!
この場合は歯茎を切開した後に顎骨を少し削り、表面に出ている歯を割って取り出した後、埋まっている歯を抜き取る。
費用は3割負担で5000〜6000円程度。
又、下顎部に歯全体が隙間無く埋没しているケースも難易度が高いとされる。
尚、顎骨にほぼ埋まっている状態の親不知を、特に「埋伏智歯」と呼ばれる。
局部麻酔は下顎の奥歯には中々効き難く、治療中に痛みが生じる事がある。
この場合は効果が表れる迄麻酔を足して行く。
一度に複数本の抜歯(例えば、親不知4本を一度に抜歯する必要があるケース等)が必要な場合は、全身麻酔を行い、手術室で行うケースも多い(その場合は、口腔外科外来では不可能な為、入院が必要となる)。
但し、1本の抜歯であっても、患者が局所麻酔で抜歯するのに不安を訴えたり、埋まっている位置が極端に深い等の理由で抜歯に時間がかかる場合は、患者との合意が得られれば、入院の上で全身麻酔を施して手術室で行うケースもある。
抜歯後、顔が腫れたり、発熱する事がある。
又、下の親知らずを抜く際に下歯槽神経を傷付けて、唇や顎に痺れが出る事が稀にあるが、通常1ヶ月から半年程で元に戻る。
術後の痛みや腫れの程度は抜いた箇所と生え方によって大きく変わり、痛みの感じ方にも個人差がある。
最も軽く済むのは上顎に真っ直ぐ生えている場合で
最も痛みと腫れが残るのは下顎に横向きに生えている場合である!

歯槽骨とは、顎骨の骨体部と歯牙を結ぶ骨で歯槽突起とも言う。

歯槽骨は、固有歯槽骨と支持歯槽骨とに分けられる。

人体の場合、解剖学的に独立した骨体では無い。

歯槽骨の「歯槽」とは、歯を入れ置く槽と言う意味を持つ。

又、歯根(歯の下部の歯槽骨の中に入っている部分。歯根の表面からセメント質、象牙質、根管と言う構造になっている。歯根と歯槽骨の間には、歯根膜という繊維状の組織がありクッションになっている)と歯根の間にある歯槽骨を歯槽中隔と言い、歯間中隔(槽間中隔)と根間中隔には脈管や神経の通る栄養管がある。
抜歯の偶発症で、下顎の埋伏智歯の抜歯後のものが多い。
通常の場合、抜歯後に麻酔が切れれば痛みがあるが、その後は次第に痛みが弱くなって行く。
然し、ドライソケットの場合は、2〜3日後くらいから次第に痛みが強くなって行く。
通常、抜歯後の傷は血餅(血液がゼリー状になったもの)で塞がれるが、患者が過剰な含嗽(「がんそう」と読もう!口を漱いだり嗽<うがい>をする事ね)をしたり傷を気にして触る事により、血餅が十分に形成されなかったり脱落してしまう事による。
又、感染による炎症で血餅が溶解する事もある。
抜歯の難度は上顎より下顎が難しく(顎部の神経が近い為)、真っ直ぐ生えているものより横向きに生えているものの方が難しい!
最も困難なのは
下顎で横向きに生えている歯!

この場合は歯茎を切開した後に顎骨を少し削り、表面に出ている歯を割って取り出した後、埋まっている歯を抜き取る!
最も痛みと腫れが残るのは下顎に横向きに生えている場合である!

なっちゃいましたよドライソケット!
痛いの何の!

誰か助けて~!
左下顎の横向きの埋没歯だからモロに痛い辛い!
何せ左の顔と言うか
頭部(首から上の事をイメージして)左半分が痛いの!

口が痛いし頭も響く!

痛み止め頓服ジクロフェナク飲んだら何とか痛み収まるが、切れたらいったあいの!!
何せ「骨が見えてる」状態だと!
そりゃ痛い筈だよ!

で、これが完治するのに半年~二年かかるだと!?
それはないだろう!!
もう堪らないでごじゃりまする!

そんなこんなな辛抱しんちゃんの現状でした・・・